アビスコはスウェーデン北部にある小さな町ですが、オーロラ観測地として世界的に人気のスポットです。
なかでも「雲が少なく晴れやすい」という気候的な特徴があり、フィンランドやノルウェーよりも高い確率でオーロラを見られると言われています。
「スウェーデンのアビスコでオーロラが見えるらしいけど、いつ行けばいいの?」
「実際どれくらいの確率で見られるの?」
というように天候に関する疑問が出てきますよね。
この記事では、
- アビスコでオーロラが見やすい時期と時間帯
- 天候や観測のコツと成功確率
- おすすめの鑑賞スポットと観光プラン
- 交通費やツアー代など、リアルな費用感
などについて、現地での実体験も交えながら詳しく解説していきます。
アビスコでオーロラが見れるベストな時期と時間帯
アビスコでオーロラを観測するには、時期と時間帯の選び方がとても重要です。
せっかく行くなら、少しでも高い確率で見られる時期を狙いたいですよね。
ここでは、アビスコでのオーロラ観測に適した季節や時間帯、そして見逃せない天候条件について詳しくご紹介します。
オーロラがよく見えるシーズン(秋〜春)
アビスコでオーロラが見られるのは、例年9月中旬〜3月末ごろまでの期間です。
なかでも、最も安定して観測できるのは11月〜3月といわれています。
この時期は夜が長く、日照時間が極端に短くなるため、オーロラが出現する時間帯をしっかり確保できます。
逆に夏場(6月〜8月)は白夜に近く、夜でも空が明るいため、オーロラの観測はほぼ不可能です。

わたしたちは2月下旬に滞在しましたが、3泊中2晩オーロラが見えました!日によって天気が全然違うので、連泊がやっぱりおすすめです。
アビスコでオーロラ観測に最適な時間帯は?
オーロラの出現しやすい時間帯は、夜の21時〜深夜2時ごろが中心です。
この時間帯は上空の太陽風の影響を受けやすく、最も活発にオーロラが動く可能性が高いとされています。
ただし、現地ガイドによると、20時台や明け方4時ごろに突如現れることもあるそうで、必ずしも決まった時間に出るとは限りません。
オーロラは「長時間出ている」のではなく、「数分〜30分程度で消える」こともあります。
早めに外に出て、空を見上げながら気長に待つのが成功のコツです。
一瞬で消えることもあるため、カメラや防寒具などはあらかじめ準備しておくと安心です。
オーロラを見るには天候条件も重要!
オーロラ自体が出現していても、雲に覆われていたら見えません。
そのため、天候条件は観測成功の鍵になります。
アビスコは「スウェーデンで最も晴天率が高い」と言われるほど乾燥した気候で、雲が少なく視界がクリアな日が多いのが特徴です。
これは山々に囲まれた地形による「雨陰効果」が働いているためです。
天気が悪い日でも、わずかに雲が切れた瞬間を狙って現れることがあるので、こまめに空をチェックすることが大切です。
アビスコにおけるオーロラ観測のコツと確率
アビスコでオーロラを見るなら、ただ空を眺めるだけではもったいないかもしれません。
観測に適した環境づくりや事前の心構えをしておくことで、オーロラと出会える確率をグッと高めることができます。
ここでは、アビスコがオーロラ観測に適している理由と、成功率を上げるためのポイントを具体的にご紹介します。
アビスコがオーロラ観測に適している理由
アビスコは「晴れやすい」「光が少ない」「北極圏に近い」という3つの条件がそろった理想的な観測地です。
まず、天候面では年間を通して乾燥しやすく、曇りにくいという特徴があります。
次に、人口が少なく、街灯も最小限に抑えられているため、空が非常に暗いのです。
また、アビスコは北緯約68度に位置しており、オーロラベルトの真下にあるため、出現頻度そのものも高くなっています。



わたしたちはストックホルムよりも北の方が有利と聞いて、少し勇気を出してアビスコに足を伸ばしました。結果的に、あの暗く静かな環境は忘れられません。
オーロラを見るためのコツ&準備
ここでは、実際に観測を成功させるために意識しておきたい3つのポイントをまとめます。
光が少ない場所で観測する
街灯や車のライトから離れた場所に移動しましょう。
たとえば、アビスコ国立公園内や湖畔の開けた場所は、周囲に人工光が少なく観測にはうってつけです。
光害が少ないほど、オーロラの色や動きがはっきり見えるようになります。
防寒対策をしっかりと
オーロラが出るのは真冬の夜。
体感温度がマイナス20℃を下回ることもあり、防寒具の質が重要です。
ダウンジャケットやスキーウェアに加えて、手袋・ネックウォーマー・足元のカイロも必須です。
スウェーデンの冬(12月・1月・2月)の服装についてはこちらの記事で解説しています。


3泊以上の滞在を目安にする
オーロラは自然現象なので、毎日必ず見えるとは限りません。
そのため、滞在日数を長めに確保することで「出会える可能性」を高めるのが定石です。
3泊〜4泊しておけば、天候の悪い日があってもカバーできる可能性が高まります。
- 防寒具(ダウン、スノーパンツ、帽子、手袋など)
- カメラやスマホ(夜間撮影モードがあると便利)
- ホッカイロ・水筒・お菓子などの小物
準備をしっかり整えておけば、寒さや移動のストレスを減らし、観測に集中できます。
アビスコのオーロラ観測、実際の成功率は?
気になるのは、「実際にどれくらいの確率で見られるのか?」という点ですよね。
現地のガイドや宿泊施設によると、アビスコでは3泊すれば80〜90%以上の確率でオーロラが見られるとされています。
特に雲が出にくい立地に加えて、ツアーで適切な場所に連れて行ってもらえる点も成功率を高めています。
もちろん「確実」とは言えませんが、ヨーロッパ圏内では最も安定したオーロラ観測地の一つと言えるでしょう。
アビスコのオーロラ鑑賞スポット
アビスコでは、オーロラ観測にぴったりのスポットがいくつも点在しています。
観光地化されていない静かな場所から、設備の整った展望施設まで、目的やスタイルに合わせて選べるのが魅力です。
ここでは、アビスコで実際に体験できるおすすめの鑑賞スポットをご紹介します。
アビスコで最高のオーロラ体験を!おすすめ鑑賞スポット
まずは、地元の人もおすすめする代表的な鑑賞スポットを3つに絞ってご紹介します。
それぞれのスポットには異なる魅力があるので、旅のプランに合わせて訪れてみてください。
オーロラ・スカイ・ステーション(Aurora Sky Station)
アビスコ観光のハイライトともいえるのが、アビスコ国立公園の中腹にある「オーロラ・スカイ・ステーション」です。
リフトで登った先にある展望台からは、遠くの山々まで見渡せる大パノラマが広がり、夜空のオーロラがより壮大に感じられます。
観測専用の施設として設計されており、屋内で待機できるラウンジやガイドツアーなども充実しています。



スカイステーションでは、極寒の中でも暖を取りながら観測できるのがありがたかったです。寒がりな方や、安心して見たい方にとてもおすすめですよ。
アビスコ国立公園とその周辺エリア
国立公園内には、徒歩でもアクセスできる開けたスペースやトレイルがあり、気軽にオーロラ観測を楽しめます。
特に、木々の間を抜けた視界の開けた場所や、川沿い・丘の上などは人気のスポットです。
ガイドなしで自由に散策したい方には、国立公園エリアがぴったりです。
その他のおすすめ観測エリアや隠れスポット
最後に、少し視点を変えて「隠れた観測スポット」もご紹介します。
宿泊施設の周辺や湖畔など、人の少ない静かなエリアでは、より自然と一体になった観測体験が可能です。
アビスコの湖畔
アビスコの町から少し歩いた先に広がる湖の周辺は、風のない夜に水面が鏡のようになり、オーロラが映り込む幻想的な風景が見られることも。
日中に下見をしておくと、夜も安心してアクセスできます。
宿泊施設の周辺
アビスコの多くの宿泊施設は、郊外に位置していて街灯が少ないため、実は“部屋の外に出るだけ”でも充分にオーロラを観測できます。
小さなお子さんがいるご家庭や、寒さが苦手な方にぴったりの方法です。
「Auroraを見るために泊まる」なら、できるだけ北向きの窓がある宿を選びましょう。
施設のレビューで「オーロラが見えた」という声が多い場所を探すのもコツです。
宿泊地からそのまま空を見上げられる環境があると、移動のストレスがなく、寒い夜でも気軽に楽しめます。
地元ガイドと巡るツアー
「どこで見ればいいか分からない…」という方には、地元ガイドが案内してくれるオーロラ観測ツアーがとても心強いです。
天候や風向きを加味して、その夜に最適なスポットに案内してくれるため、成功率も高まります。
オーロラ鑑賞の思い出に、お土産を探してみるのも楽しいですよね。
スウェーデンには、北欧の文化をモチーフにした雑貨がたくさんあります。
こちらの記事では、おしゃれで実用的なお土産を紹介しています!


アビスコ旅行の費用と観光プラン
オーロラ観測を目的としたアビスコ旅行。
気になるのはやはり、「どれくらいの予算がかかるのか?」という現実的な費用ですよね。
ここでは、アクセス方法・宿泊費・ツアー料金を細かく分けて解説し、全体予算の目安もご紹介します。
アビスコへのアクセス方法と交通費
方法①:ストックホルムから飛行機+バスで行く方法
もっとも早く到着できるルートが、ストックホルムからキルナ空港まで飛行機で移動し、そこからアビスコへバスまたは車で行く方法です。
所要時間は合計で4〜5時間ほど、費用は時期によりますが、片道15,000円〜25,000円前後が目安になります。
方法②:ストックホルムから夜行列車で行く方法
ゆったり旅を楽しみたい方には、夜行列車のルートもおすすめです。
寝台付きの長距離列車でストックホルムから約18時間、費用は片道10,000〜18,000円程度です。
移動を旅の一部として楽しみたい方や、荷物の多い方には快適な選択肢です。



私たちは夜行列車を利用しました。車窓からの雪景色や、食堂車での食事も楽しく、移動中から旅気分を満喫できました!
宿泊施設とその価格帯
ホステルやゲストハウス(約7,000~12,000円/泊)
コスパを重視する方やひとり旅には、ホステルタイプの宿がおすすめです。
共有キッチンを使えば、自炊して節約することも可能。
コテージ・ホテル(約20,000~30,000円/泊)
家族連れやカップルには、プライベート空間が確保できるコテージやミニホテルがおすすめです。
オーロラが見える窓付きの部屋や、屋外ジャグジー付きの施設もあります。
- 共同キッチンで離乳食や簡単な料理が可能
- スキー用具の乾燥室や、ソリの貸し出しがある宿も
- 北向きの窓付きの部屋はオーロラ観察に最適
小さなお子さんがいる場合は、寒さに配慮した宿選びが安心です。
オーロラ鑑賞ツアーの料金目安
「オーロラ・スカイ・ステーション」ツアー(約10,000~15,000円)
ロープウェイで展望台へ登るツアーは人気が高く、施設内での待機やガイド付きの観測もセットになっています。
オーロラ撮影ツアー(約12,000~18,000円)
プロのカメラマンが同行し、撮影のコツを教えてくれるツアーです。
夜間の撮影が初めての方には特におすすめです。
犬ぞり+オーロラツアー(約20,000~30,000円)
昼間は犬ぞりで雪原を駆け抜け、夜にオーロラ観測という贅沢なプラン。
アクティブに楽しみたい方にぴったりです。
旅行全体の予算の目安
アビスコでのオーロラ旅行(3泊4日)を想定した場合、一人あたりの合計費用の目安はおおよそ8万円〜15万円です。
項目 | 目安金額(1人あたり) |
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交通費(往復) | 20,000〜40,000円 |
宿泊費(3泊) | 21,000〜90,000円 |
オーロラツアー | 10,000〜30,000円 |
食費・雑費 | 10,000〜15,000円 |
ハイシーズンやツアー内容によっては費用が上がることもあるため、早めの予約とオフシーズンの利用でコストを抑えるのもポイントです。