スウェーデン旅行を計画している方の中には、
「現金ってどれくらい持っていけばいいの?」
「クレジットカードだけで大丈夫?」
と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に、キャッシュレス化が進んでいると言われる北欧では、現金の必要性や使い方が日本とはかなり異なります。
そのうえ、チップの習慣やクレジットカードの対応状況など、現地で戸惑いやすいポイントもたくさん。
そこで、この記事では、
- スウェーデンの通貨やキャッシュレス事情
- 現金を使うタイミングと金額の目安
- 旅行におすすめのクレジットカードと注意点
- スウェーデンのチップ文化と対応方法
などについて詳しく解説しています。
スウェーデンの通貨とキャッシュレス事情
スウェーデンを旅行するうえで、まず知っておきたいのが現地の通貨とキャッシュレス事情です。
「どのくらい現金が必要なのか?」を判断する前に、スウェーデンという国がどれだけキャッシュレス先進国なのかを理解しておくと安心です。
スウェーデンの通貨・クローナとは?
スウェーデンの通貨は「クローナ(Swedish Krona)」で、通貨コードは「SEK」です。
1クローナは日本円でおおよそ13〜15円前後で変動しています。
現地では紙幣と硬貨の両方が使われており、紙幣は20・50・100・200・500・1000クローナ、硬貨は1・2・5・10クローナがあります。
ただし、最近は現金そのものを受け付けないお店も増えているため、大量の現金を持ち歩く必要性はあまり感じません。
現金よりキャッシュレスが主流
スウェーデンは世界でもトップクラスにキャッシュレス化が進んでいる国です。
日常生活では、カフェやスーパー、交通機関はもちろん、公衆トイレの利用料までもがカードやアプリでの支払いに対応しています。
私たちがストックホルムを訪れたとき、露店のベリー販売でも「Swish(スウィッシュ)」というモバイル送金アプリでの支払いが主流でした。
観光地でも、VISAやMastercardを使えるお店がほとんどで、「現金のみ」の看板を見ることはほぼありませんでした。

最初の旅行では現金を準備して行きましたが、気づいたらまったく使わずに帰国していました。
キャッシュレス化が進んだ理由
スウェーデンのキャッシュレス社会は、政府や銀行が主導して推進してきた政策の結果です。
犯罪の抑止や脱税防止、コスト削減などの理由から、現金の流通を意図的に減らす取り組みが続けられています。
また、国民のITリテラシーも高く、高齢者層でもスマートフォンでの決済やネットバンキングを使いこなす人が多いです。
特に「Swish(スウィッシュ)」というモバイル決済アプリは、銀行口座と直結しており、友人同士の割り勘からフリマでの支払いまで幅広く使われています。
観光客向けのおすすめ決済方法
観光客にとってもっとも安心で便利なのは、VISAまたはMastercard対応のクレジットカードを用意しておくことです。
店舗によってはAMEXやJCBが使えないこともあるため、メインとサブの2枚体制が安心です。
交通系アプリやチケット購入もオンライン対応が進んでおり、現地SIMやWi-Fi環境があればスムーズに支払いが完了します。
また、最近ではApple PayやGoogle Payに対応したお店も増えており、スマホ1台で完結する旅行スタイルも十分可能です。
- 交通:SLアプリ+クレジットカード
- 飲食店:カードタッチ決済(非接触型)
- スーパー:カードまたはモバイル決済(Swishは不可)
- 美術館・博物館:多言語対応のオンラインチケット+カード支払い
スウェーデン観光で現金はいくら持つべきか?
「キャッシュレス社会」と聞くと、現金は一切いらないのでは?と思ってしまいがちですが、実際はどうなのでしょうか。
ここでは、私たち家族が旅行中に感じた「現金があって助かった瞬間」や、「これはカードで十分だったな」という体験をもとに、必要な現金の目安や両替のポイントを詳しくご紹介します。
スウェーデン観光で現金はどれくらい必要?
基本的には、1人あたり500〜1000クローナ(約7000〜15000円)もあれば十分です。
観光メインの旅行であれば、ほとんどの支払いはカードや電子決済で済ませられるため、現金を多めに用意する必要はありません。
私たちがストックホルムとヨーテボリを巡った際も、4人家族で3泊して現金を使ったのは一度きりでした。
現地SIMを使ってネット環境を確保しておけば、アプリ経由での支払いがとてもスムーズです。
現金が必要になるシーンって?
とはいえ、現金がまったく不要というわけではありません。
地方のフリーマーケットや、田舎町の小規模な店舗、公共トイレの料金ボックスなど、わずかながら現金しか使えない場面もあります。
特に「公衆トイレで5クローナ必要だったのにコインがなくて入れなかった…」という声は観光客の中でもよく聞かれます。
また、現地の知人にちょっとしたお礼を渡す場面なども、現金の方がスマートな印象になることがあります。



ストックホルム郊外の蚤の市では「Swishしか無理」と言われ、観光客には使えず、現金があって助かりました。
両替するときの注意点
日本国内の空港でスウェーデンクローナに両替する場合、為替レートと手数料が高めになることが多いです。
できれば、現地の空港や街中の両替所、あるいはATMでの引き出しの方がレートは良くなる傾向があります。
ただし、スウェーデン国内でも両替所の数はかなり減っており、「どこで両替できるか」を事前に調べておくと安心です。
また、レートの表示に「手数料込みかどうか」が明示されていない場所もあるため、確認は忘れずに。
ATMを使って現金を引き出す方法
スウェーデンでは「Bankomat」という名前のATMが全国各地にあり、国際キャッシュカードやクレジットカードでの現金引き出しが可能です。
日本語表示はありませんが、英語対応はされているので、表示に従って操作すれば問題ありません。
引き出し時には「現地通貨での精算」か「日本円換算」を選べることがありますが、現地通貨での精算の方がレートが有利な場合が多いです。
- 暗証番号(PINコード)は4桁
- 引き出し単位は100クローナ以上が一般的
- ATMが屋外に設置されている場合は周囲の安全確認を
どのタイミングで両替するべき?
旅行初日の朝、または空港から市内に移動する前がベストです。
移動中に急に現金が必要になることは少ないですが、「公衆トイレ」や「交通機関の非常時対応」などに備えて、初日に少しだけ確保しておくのが安心です。
両替所が開いていない時間帯に到着する場合は、ATM利用が現実的な選択肢になります。
現金を持ちすぎない工夫
スウェーデンでは、現金の紛失や盗難よりも「使わずに持ち帰るムダ」のほうが多いと言っていいかもしれません。
できるだけ少額を段階的に引き出す、あるいは使いきれる範囲にとどめるのがコツです。
また、余ったクローナは再両替すると損が大きいので、お土産購入などで使い切るようにすると無駄がありません。
スウェーデンでおすすめのクレジットカードと注意点
キャッシュレス社会のスウェーデン旅行において、クレジットカードはまさに“旅の相棒”です。
とはいえ、すべてのカードが現地で同じように使えるわけではなく、対応ブランドや決済機能、保険の有無などに注意が必要です。
ここでは、スウェーデン観光で実際に使いやすかったカードの特徴と、安心して使うためのポイントをまとめました。
スウェーデン旅行に便利なクレジットカードの特徴
一番安心なのは「VISA」や「Mastercard」のタッチ決済対応カードです。
この2ブランドはスウェーデン国内のほぼすべての店舗・施設で利用でき、コンビニから美術館、バスや地下鉄の券売機まで幅広く対応しています。
非接触型(タッチ決済)対応カードであれば、PIN入力なしでスムーズに支払いを終えることができて便利です。
また、万が一のために磁気+ICチップ両対応のカードを1枚は持っておくと安心です。
国際ブランドごとの使いやすさ (VISA、Mastercard、AMEX)
VISAとMastercardは、スウェーデン国内での利用にほとんど制限がありません。
一方で、AMEX(アメリカン・エキスプレス)やJCBは、都市部の高級ホテルや空港など一部の店舗に限られてしまう傾向があります。
カードを1枚しか持っていない場合は、VISAかMastercardを優先的に準備しておくと安心です。
サブカードとしてAMEXやJCBを持っていくのは問題ありませんが、メイン利用にはやや不向きと感じました。



私たちはAMEXのゴールドカードも持って行きましたが、郊外のスーパーでは使えず、結局Mastercardがメインになりました。
海外キャッシングのメリットと注意点
現金が必要になったときは、海外キャッシング機能付きのカードを使ってATMから引き出す方法が便利です。
両替所よりもレートが良く、必要なタイミングで必要な分だけ引き出せるので、現金を余らせる心配が少なくなります。
ただし、カード会社によっては利息やATM手数料が発生するため、返済方法や条件を事前に確認しておくことが重要です。
- 返済はできるだけ繰り上げ返済にする(利息を最小化)
- 利用限度額に注意(旅行中は特に)
- キャッシング機能が有効化されているかを事前に確認
カードを使う際の防犯対策
スウェーデンは比較的治安の良い国ですが、旅行中のスキミング被害や盗難には注意が必要です。
カードの利用通知をオンにしておく、利用後に明細をすぐ確認する、財布とは別にカードを保管するなど、基本的な対策を忘れずに。
万が一紛失した場合に備えて、カード会社の緊急連絡先や停止手続きの方法をスマホにメモしておくと安心です。
海外旅行保険付きクレジットカードの活用
クレジットカードの中には、海外旅行保険が自動付帯または利用付帯されているものもあります。
病気やケガ、荷物の破損・盗難などのトラブル時に備えて、1枚は保険付きのカードを持っていくのがおすすめです。
利用付帯タイプの場合は、旅行代金の一部(航空券など)をそのカードで支払う必要があるので、出発前に条件を確認しておきましょう。
保険の補償内容や金額もカードによって異なるため、比較して選ぶことが大切です。
スウェーデンのチップ文化はある?
欧米といえば「チップ文化」を連想する方も多いかもしれません。
でも実は、スウェーデンではその文化が少し違っています。
「どこで、どのくらい、どう渡すのが正解?」と迷わないよう、現地の感覚に沿ったチップ事情をご紹介します。
スウェーデンのチップ文化ってどうなの?
スウェーデンには「義務的なチップ文化」は基本的にありません。
アメリカのように「必ず〇%支払う」といったルールはなく、あくまで「気持ち」で渡すというスタンスです。
サービス料がすでに価格に含まれていることが多く、特別な事情がなければ、チップなしでも失礼にはあたりません。
そのため、スウェーデン旅行中は「チップのことを気にしすぎない」のがちょうど良いバランスだと思います。
レストランやホテルでのチップの相場
レストランでは、お会計時に「満足したら端数を切り上げる」程度が一般的です。
たとえば、480クローナの食事代であれば、500クローナを渡してお釣りをもらわないといった形ですね。
ホテルのポーターに荷物を運んでもらった際も、10〜20クローナ程度のチップを渡せば十分な気持ちが伝わります。
高級ホテルや特別なサービスを受けたときは、少し多めに渡すのも丁寧な印象になります。



ヨーテボリのホテルで部屋を早めに準備してくれたスタッフに、20クローナ渡したらすごく喜んでくれました。
タクシーやツアーガイドにはどうする?
タクシーでは、基本料金にサービス料が含まれているため、無理にチップを渡す必要はありません。
ただし、運転手が親切だったり、荷物を手伝ってくれたりした場合には、端数を切り上げて支払うのがスマートです。
たとえば、92クローナの料金を100クローナ渡すような形が一般的です。
ツアーガイドの場合は、特に満足度が高ければ50〜100クローナ程度を封筒やカードと一緒に手渡すと丁寧です。
特別なサービスのときには?
美容室やスパ、パーソナルサービス系(通訳・ベビーシッターなど)の利用時も、基本はチップ不要です。
ただし、期待以上の対応をしてくれたときや、長時間にわたるサポートを受けた場合には、気持ち程度の現金を添えると感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
チップの渡し方に明確なルールはないので、無理せず「ありがとう」の一言とともに渡せば問題ありません。
観光客としてチップを渡すときのポイント
現地の文化に沿って、チップは“あげるべきもの”ではなく、“渡してもいいもの”と理解しておくことが大切です。
- 紙幣は新しく、折り目の少ないものを選ぶと好印象
- 相手の目を見て、笑顔で「Thank you!」を添える
- カード支払い時のチップ画面には落ち着いて対応
渡す場合は、少額のクローナ硬貨や紙幣をあらかじめ用意しておくとスムーズです。
また、ホテルやレストランでクレジットカード決済をする場合、端末に「Tip(チップを加算しますか?)」の画面が出ることがあります。
このときも、金額を入力するか「スキップ」を選べるので、無理のない範囲で選択してください。
おすすめのお土産や購入時の注意点については、こちらの記事をチェックしてみてください。

