スウェーデンに移住したり、長期滞在を考えている日本人にとって、「スウェーデン語の習得」は避けて通れないテーマです。
でも、そもそもスウェーデン語ってどんな言語なのか、日本語との違いや難しさはどれくらいあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
さらに、実際に現地で暮らすうえで、英語だけでどこまで対応できるのかも大事なポイントです。
この記事では、
- 日本人にとってのスウェーデン語の特徴や難易度
- 英語との使い分け
- 効率的な学習方法
など、家族でスウェーデンに暮らしている私たちのリアルな体験を交えて詳しくご紹介します。
日本人にとってスウェーデン語とはどんな言語?
まずは、スウェーデン語そのものがどんな言語なのかを見ていきましょう。
英語との関係性や、日本語との違いなどを理解することで、これからの学習のハードルがぐっと下がります。
スウェーデン語の基本的な特徴
スウェーデン語は、ゲルマン語派に属する言語で、英語やドイツ語と近い言語的背景を持っています。
単語や文法にも英語と似た部分が多く、英語が得意な人にとっては比較的とっつきやすいと言われています。
一方で、独自の発音やリズム、アクセントの置き方には慣れが必要です。
日本語との違いってどんなところ?
日本語との最大の違いは、語順と性別による名詞の区別です。
日本語は助詞によって文の意味を整理しますが、スウェーデン語は語順がとても重要で、位置を間違えると意味が通じにくくなります。
また、名詞には「共性」と「中性」の区別があり、冠詞の使い分けも日本語にはない考え方です。

最初は冠詞の違いが本当にややこしく感じましたが、慣れてくるとリズムとして自然に身につきます。
スウェーデン語があると便利な場面
正直なところ、スウェーデンでは英語だけでも生活はできます。
ただし、現地校・保育園とのやり取り、病院の受付、郵便や役所関係など、「暮らしの土台」に関わる場面ではスウェーデン語が求められることがあります。
また、子どもが現地の友達とスウェーデン語で話しているのを見て、「自分も理解したい」「家庭内でも少し話したい」と思うようになる親も多いです。
スウェーデン語を学ぶメリット
スウェーデン語を学ぶことで、スウェーデン社会への理解がぐっと深まります。
- 現地の保育園・学校からのお知らせが読める
- 病院や薬局でスムーズに対応できる
- 自治体の案内やチラシを読んで地域の情報を得られる
- スウェーデン人との距離が縮まり、会話が弾む
単なる言語としてだけでなく、言葉の背景にある考え方や文化にも触れられるようになるため、現地の人との距離感がぐっと縮まる感覚があります。
スウェーデン語習得の難易度と目安時間
スウェーデン語を学びたいと思ったとき、気になるのがその難易度と学習にかかる時間ですよね。
私たちも移住前にたくさん調べましたし、実際に家族で学んでみて感じたこともたくさんあります。
ここでは日本人にとっての難しさや、よく言われる「Fランク言語」についても触れながら、リアルな習得の目安を共有します。
スウェーデン語ってどのくらい難しいの?
英語に似ている部分があるとはいえ、発音・語順・冠詞の3つはつまずきやすいポイントです。
特に発音では、巻き舌や独特なアクセント、伸ばす音の長さなど、聞き慣れないリズムに戸惑うことも多いです。
スウェーデン語ってFランク言語らしい
アメリカの外務職員局(FSI)が出している言語習得ランキングでは、スウェーデン語は「Fランク=英語話者にとって最も簡単な部類」に分類されています。
一見ハードルが低そうに見えますが、これは英語ネイティブにとっての話です。
日本語ネイティブにとっては、発音と文法構造の違いから、決して楽とは言えない印象があります。
日本人がスウェーデン語でつまずくポイント
日本人にとっての難所は、なんといっても聞き取りと冠詞の運用です。
見ればわかる単語も、ネイティブの話すスピードでは聞き取れないことが多く、最初の壁になります。
また、名詞の性(共性/中性)によって冠詞や形容詞の形が変わるので、自然に使いこなすには慣れが必要です。



私自身、文法よりも「聞き取れない…」という悩みが長く続きました。
習得までにどのくらい時間がかかる?
一概には言えませんが、一般的には日常会話レベルに到達するまでに400〜600時間、仕事でも使えるレベルになるには1000時間以上の学習が必要と言われています。
私たち家族も、オンライン講座と語学学校を併用して半年ほどで「簡単な会話ができる」レベルに達しました。
北欧言語と比べてどう?
北欧主要言語の特徴比較をするとこんなかんじです。
言語 | 特徴 |
---|---|
スウェーデン語 | 英語と似ている/冠詞や語順が重要/発音にクセあり |
ノルウェー語 | スウェーデン語に近く、相互理解しやすい |
デンマーク語 | 書き言葉は近いが、発音が独特で聞き取りづらい |
フィンランド語 | 系統が全く異なり、構造が特殊 |
北欧ではノルウェー語・デンマーク語・フィンランド語も話されていますが、スウェーデン語はノルウェー語と特に近く、相互理解がしやすいです。
ただし、フィンランド語はまったく異なる言語系統で、日本語と同じく孤立している印象すらあります。
スウェーデン語学習のコツ
まずは、発音を正しく聞き取ることに重点を置くのがおすすめです。
リスニング→シャドーイング→会話という順でステップアップすることで、無理なく自然に覚えられます。
文法書よりも、まずは耳から慣れる方が挫折しにくいというのが私たち家族の実感です。
スウェーデンでの日常会話で英語はどれくらい通じる?
スウェーデン語を学ぶべきかどうかを考えるとき、「英語だけでどこまで通じるのか」はやはり気になるところですよね。
実際、私たち家族も渡航前に何度も調べたテーマでしたし、今でも「英語が通じるから安心ですね」とよく言われます。
では、実際の生活で英語はどの程度使えるのでしょうか?体験ベースでお伝えします。
スウェーデン人の英語能力が高い理由は?
スウェーデンは、非英語圏でトップクラスに英語が通じる国として知られています。
子どもの頃から学校教育で英語に力を入れており、映画やドラマも吹き替えなしで英語音声+スウェーデン語字幕が一般的です。
特に都市部の若い世代は、ネイティブ並みに流暢な英語を話す人も多く、観光地ではほぼ100%英語で対応可能です。



英語が堪能な若者に話しかけたとき、むしろ「スウェーデン語じゃなくてよかった〜」と思うことも多かったです。
スウェーデン語学習が求められる場面
とはいえ、すべて英語で済むわけではありません。
特に子育て・医療・行政などの「暮らし密着型サービス」では、スウェーデン語でのやりとりが求められる場面が出てきます。
たとえば、保育園からのお知らせは基本的にスウェーデン語のみ、医療の受付や処方指示もスウェーデン語中心です。
日本語がまだ通じる可能性がある「日本の食材が買えるスーパー」で練習するところから始めてもいいかもしれませんね。


現地ではスウェーデン語よりも英語が大事な場面も
一方で、IT企業や大学関係、国際的な職場では、英語だけで問題ないことも多いです。
- ITや研究職などの多国籍な職場
- 観光施設・ホテル・カフェ
- 大都市のスーパーやチェーン店
実際、夫の職場では社内公用語が英語で、同僚も多国籍。スウェーデン語が話せないスタッフも普通に働いています。
英語を話せない場合の対策
英語に自信がない方は、基本のフレーズ+翻訳アプリの活用が安心です。
また、スウェーデンの人たちはとても親切で、片言の英語や身ぶりでも一生懸命くみ取ってくれる印象があります。
たとえ英語が完璧でなくても、誠実に伝えようとする姿勢があれば、十分に生活は成り立ちます。
スウェーデン語を効率的に学ぶためのコツ
最後に、実際に私たち家族が実践してきたスウェーデン語の学び方についてご紹介します。
子育てをしながら、限られた時間の中で学ぶにはどうすればいいのか。
体験を通じて見えてきた「続けやすく、挫折しにくい」学習の工夫をご参考にしていただけたら嬉しいです。
リスニングと会話練習がカギ!
文法書から入るより、まずは耳を慣らすことが何より大切だと感じています。
ネイティブの発音やリズムに慣れることで、「なんとなくわかる」→「聞き取れる」へと自然に移行できるからです。
具体的には、スウェーデンのラジオ番組(SR)、子ども向けYouTube、簡単なポッドキャストなどがおすすめです。



最初は「単語が一つもわからない…」という感じでしたが、毎日10分ずつ聞くだけでも耳が変わってきました。
スウェーデン語教材選びのポイント
教材選びでは、自分のレベルと目的に合っているかが最も大切です。
たとえば、「日常会話を少しでも理解したい」なら、子ども向け教材や会話中心のものが効果的。
逆に「試験対策」や「文法理解」を重視する場合は、日本語解説つきの教材や文法書が役立ちます。
- 『Rivstart A1+A2』(語学学校で使用)
- 『Duolingo』(すきま時間にゲーム感覚で)
- 『Babbel』(実践的な会話練習が充実)
- 『みんなのスウェーデン語』(文法が日本語で丁寧に解説)
日常にスウェーデン語を取り入れる方法
日々の生活の中にスウェーデン語を取り入れるのも、とても効果的です。
たとえば、
- 冷蔵庫に単語カードを貼る
- 買い物リストをスウェーデン語で書く
- 子どもと一緒に挨拶を練習する
など、身近なシーンで繰り返し触れることで定着しやすくなります。
日本国内で利用できるオンライン学習ツール
日本国内でスウェーデン語を学ぶなら、オンラインツールは絶対に活用したいところです。
たとえば「Duolingo」や「Babbel」みたいなアプリは、初心者向けで気軽に始められるし、ゲーム感覚で続けられるのがいいですよね。
私もスキマ時間にちょこちょこ使ってました。
さらに、「Italki」や「Preply」ではスウェーデン人の先生と直接話せるレッスンが受けられるので、発音や会話の練習にはピッタリ!
電子書籍やKindle用の教材を使えば、場所を選ばず自分のペースで勉強できます。
子育て中の方でも、スキマ時間に自分のペースで続けられるのがオンライン学習の大きな魅力ですね。